電話をかけてくれたらあなたに決めるって思う瞬間があるけれど、そういうときには、決して電話をかけてくれない。
私の方が大分性格が複雑骨折していることにあなたは気づいていない。
ある男が私のことを好いているらしい。私は彼のことが好きではない。人間としても好意を抱いていない。ただ、せまい人間関係の中で敵を作るのは賢くないという理由だけで、彼とは仲良くしている。
なぜ彼のことが好きではないか。それは彼が嘘つきだからである。自分を良く見せようとして、嘘をつくのである。そのためなら他人を貶めることもする。そして、一見親切だが、裏表もある。つまり、誠実ではないのだ。悪い人ではない。しかし、保身のためなら嘘も捏造もする。そういう人間は、私は嫌いだ。しかし、上記のような理由から、つかずはなれず、そして、煽てて友人関係を保っている。上手いこと煽ててしまったから、その男は、私のことが好きらしい。
某女から、私の相手としてその男はどうかと打診されたが、かようにというか、正直言って、そういうことを想像するだけで、実は鳥肌が立つ。そういう相手に愛想をふりまくことのできる人間であるということが、某女にばれたら、きっと軽蔑されてしまうと思ったので、そこらへんは正直になれなかったが、真実はそうなのだ。
それで、私が独り身なのは、選好みしすぎるからだと思われるのも心外なのだが。もっとも、その男は、某女のことも気に入っているわけだから、某女はなぜその男ではだめなのだろうか。
その人と話していて、その人に反映される自分の像が気持ち良い人とだけ付き合おうと思った。
男Aと会話をしていると、自分が素直でおもしろくてオープンマインドで誠実で親切で女らしくて有能で知的な素晴らしい女の子である気分になる。そして、彼と居る時の自分が自分で好きである。そういう気分になる。別にAが私をおだてて褒めたおしてくれているわけではないが、言葉の端々に彼が私をそういう風に評価していることが感じられるからだろう。
それに対して、男Bと話していると、自分がみっともなくて仕事も無能で(評価されてなくて)もてなくて可愛げのないつまらない女である気分になる。そして、彼と居るとき、私は私が好きでない。別にけなされているわけではないが、多分、彼が私のことを、そう評価しているという風に感じるのだろう。
これはなにも、対男関係だけでなく、誰といてもそうであることに最近気が付いた。他の人の目に映る自分、ってやつだ。時間は有限であるから、私は、私のことをおもしろくて楽しくて可愛くて良いひとだと思ってくれている人と仲良くしたい。一緒に居ると自分がつまらなくてえらそうで無能で色気がなくて男っ気がなくて大したことをしていなくていつか失敗すると思える相手とのお付き合いは、ちょっと遠慮したい今日この頃。最初は、そのように感じる私側の問題だと思っていたけど、どうやら、相手の目に映る私の像みたいだから、自分を見くびっている人と必要もないのに付き合うことを許すのは自分に対して失礼かもしれないと思った。
話は変わるが、AともBとも別れて、新しい出会いを求めている最中に知り合った男Cと話していると私は私の姿が見えない。多分、彼の目に私が映っていないのだろう。対して、同様にして知り合った男Dと話していると、私はセクシーな女になった気分になる。Dが私をそういう風に見ているのだろう。ゆえに、CもDも私を気に入ったらしいが、Cに対して食指が動かないのは、その目に私が映っていないからだろう。そういう男は、結局ナルシストであることが多いのだよ。Dは中々よい。惜しむらくは、干支一回り以上年下であることだ。なんともはや。
こういうのもある意味、「出会いがなーい」っていうんだろうな。出会いカモーン!